まずはこのスライドをご覧ください。二人に一人ががんになる時代。しかもその内三人に一人は就労可能年齢にかかると言われています。でも働くがん患者さんの三人に一人は何らかの形で退職しています。そして年収は診断前と後では半分以下という調査があります。
がんになると仕事もお金もなくなってしまう現実があります。それはなぜかといいますと、次の4つが考えられます。
1.まずはリテラシーの問題。皆さんが払っている社会保険料、この保険料でどんな保障があるのかを知らない人がたくさんいます。社会保険は「保険」です。雇用保険も「保険」です。給料から天引きされて興味が湧かないかもしれませんが、ちょっと関心を持ってみましょう。
2.申請主義。せっかく使える制度があっても、「欲しい」と申出ないと使えません。日本は申請主義の社会です。制度があっても手続きしないと使えません。
3.法律的な制度がまだまだ弱いこと。育児や介護する方々には給付金などができ、どんどん良くなってきました。それと比べると病気で働けない時の保障はまだまだです。
4.偏見などの人の意識の問題。「がん」って聞いただけで、「えっ、死んじゃうの?」って考えてしまう人がたくさんいます。がんがうつるって思っている人だっているそうです。職場にがんの患者さんがいたら、どう話しかけていいかわからない。「お気の毒ね」なんて言っちゃったりして。
1~4の問題は、なかなか患者さんが働くうえで壁となっています。
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