【インディペンデント通信 2021年11月 第18号】
「地域共生社会」という概念が、これからの医療・福祉におけるキーワードとなっています。
超高齢社会による福祉制度の変遷と、地域の共同体機能の脆弱化による国民生活の変化が、その背景にあります。
人口減による担い手不足が問われる中、多様な課題に対応できるアプローチが求められているのです。
では、具体的な取り組み内容は、どのようなものがあるのでしょうか。
まず、市町村単位を地域として捉え、地域住民からの各種の相談に対して「断らない相談支援」の体制を整備していきます。
また、「地域づくりに向けた支援」を進めるために多分野協働による活動基盤をつくり、地域づくりのコーディネートを行います。
そして、住民の誰もが参加しやすい「参加支援」を強化していきます。
現在の行政相談は、相談窓口がその内容によって幾つも分かれており、相談者にとって相談しやすい環境だとは言い難い状況があります。
私も、行政に関する手続きのために区役所を訪れると、その手続き内容によって窓口が分かれており、時間と労力がかかり、場合によっては一日がかりです。
本当に悩みを抱えている人や困っている人にとって、いくつもの窓口を行脚することは、過剰な負担となることでしょう。
こうした、「あったらいいな・欲しかった」という日常の困りごとに自治体が取り組んでくれることは有難いことです。このなかに、就労相談も含まれるようですから期待が持てますね。
がんの治療も、外来で行われる内容も増えて、病院という枠組みから地域(在宅)へと拡がってきました。
どのように自分らしく生きていくかは、ある意味、どのように住みやすい地域で暮らしていくか、なのかもしれません。
そのためには、他人任せにするのではなく、ともにつくっていく共同者として、参加していくことが必要なのではないでしょうか。
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