インディペンデント通信

ゆうこりんの労働法教室|第7回36(さぶろく)協定

【インディペンデント通信 2019年 1月 第8号】

第7回36(さぶろく)協定

 

ゆうこりん。残業の話をするとき、よく「さぶろく協定」って聞くんだけど。それってなあに?三郎さんが考えたの?

 

こんにちは。ゆうこりんです。今回は36協定のお話ですね。

36協定の正式な名前は「時間外労働・休日労働に関する協定届」といいます。

もとになっている法律が労働基準法第36条なので、36条の“36(さぶろく)”という数字を使って通称36協定と言っているのよ。むずかしいのでポイントにしてみますね。

 

ポイント1

 

労働基準法第36条は、法定労働時間を超えて労働させる場合や休日労働をする場合にはあらかじめ会社と労働者代表が書面で協定を結び労働基準監督署に提出しなくてはならないと書かれている法律です。

 

あっ!通信第6号のゆうこりんの教室第5回で習ったよね!会社は従業員を1日8時間、1週間に40時間以内しか働かせちゃいけないって。

 

インディちゃん。よく覚えててくれましたね。ちょっと復習ね。

 

法定労働時間と所定労働時間

法定労働時間

・・・労働基準法第32条では、労働時間を1日8時間以内、1週間で40時間以内と定めています。原則として、これ以上働かせてはいけないと法律で決められた時間です。

 

所定労働時間

・・・会社は、法律と同じか、それより短く労働時間を定めることになっていて、会社ごとに定めている労働時間のことをいいます。

 

 

法定休日と法定外休日(所定休日)

法定休日

・・・労働基準法上で最低限取らなければならないお休みで、毎週1日(または4週間で4日)の休日です。

 

法定外休日

・・・法定休日以外の休日です。(所定休日)休日は土曜、日曜である必要はありません。

 

 

いくら決められていても、急な仕事が入ったりした時に時間内に終わらないこともあります。

そんな時は、残業したり休日に働きますよね。

その時のために、会社と労働者があらかじめ36協定を結んでおくんです。

36協定が結ばれずに残業したり休日に働くのは、法律に違反しているんですよ。

 

 

法定労働時間を超えて残業するときには36協定が絶対必要ってことなんだね

 

厚生労働省の平成25年度労働時間等総合実態調査結果によると、会社と労働者の代表が36協定を結んでいない企業の割合は44.8%にのぼります。

その半数以上の会社で残業の実態があります。

これは、残業時間がたとえ短くても「違法残業」と判断されます。(※36協定を結んでいる大企業は94%。中小企業は43.4%です。)

 

協定を結ばない会社が半分以上だなんてびっくり!

 

 

ポイント2

36協定で決めないといけないこと

(1)時間外労働をさせる必要のある具体的な事由(例:受注の集中)

(2)時間外労働をさせる必要のある業務の種類(例:事務製造)

(3)時間外労働をさせる必要のある労働者の数

(4)1日について延長することができる時間(例:1日3時間)

(5)1日を超える一定の期間について延長することができる時間(例:1か月45時間)

(6)有効期間(例:平成31年1月1日から1年間)

 

これで安心して残業ができるのかな?

 

それが、36協定があればどれだけ残業しても良いわけではないのよ。

残業時間には、1か月45時間、1年360時間等(※1)という上限(限度時間)があるんだけど法律で決まっているわけではないの。

だから過重労働で健康をそこねることが大きな問題なのよ。

(※1変形労働時間制や業種などによって上限が違ったり上限がない場合があります。)

 

えっ!?協定を結んでも働き過ぎちゃうんだね~。

 

働き方改革の一つとして、今年(平成31年)の4月から時間外労働の上限が法律で決められます。

 

ポイント3

2019.4.1~(中小企業は2020.4.1~)法律で時間外労働の限度が規制されます。

 

残業は、原則として月に45時間まで・年に360時間まで。特別な事情の時は、年に720時間までとします。1か月なら休日労働も入れて100時間未満とし、2か月以上なら(休日労働も入れ)月に平均80時間までと法律で定められます。違反すると罰則があります。

 

これからは休日労働の時間も含まれるのよ。

 

会社と従業員の間で労働時間や残業時間を決めた36協定です。

会社は不要な残業をなくして、従業員さんも業務の効率化を図って労働時間の上限を超えないように守っていきたいですね。

 

インディもお腹が空いてもおやつは仕事が終わってからにするよ。

 

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