【インディペンデント通信 2021年1月 第15号】
タナトロジーカフェをご存知でしょうか。
タナトロジーカフェは死生について自由に語り合う開かれた対話の場として始められました。
死生というと、なんだか堅苦しく重く、そして宗教的な感じで抵抗があるという方もいらっしゃるでしょう。
実際に、参加された方々はそのように想像していたと言われます。
ですが、参加後の感想の多くは、自分を見つめ直すきっかけになった。よかった。もっと多くの人に紹介したい。と、その評価は好意的です。
私は、日常のなかに死生を感じる・考える場を取り戻したいと思い始めました。
がんという病気は、その病態から少なからず死生を意識させます。
治療も長期にわたり、その都度、意思決定が求められます。
また、近年はアドバンスケアプランニングと呼ばれる人生の最期をどうするのか・何がしたいのか表明することも求められています。
しかしながら、日常から死生が切り離された現状下、心身ともに辛い時期に最期をどうするか求められても冷静に考えることなどできません。
そうした多くのがん患者さんの声をうかがい、この死生の問題はがん患者に限ったことではなくすべての国民に共通する問題であると感じました。
よりよく生きるためには「生きる」の裏側にある「死ぬる」をないがしろにしてはいけません。
死から生を見つめることで、いのちが有限であることを再認し、自分らしい生き方の探求が始まります。
そのいのちの探求のためには、タナトロジーの醸成が必要です。
タナトロジーカフェは年齢や職業、健康状況を問わず、すべての方が参加できます。
テーマも、ずばり死生というものだけでなく何をしているときが幸せか等、私たちが日常に感じているテーマから考えていくことのほうが多いですね。
いまは新型コロナウイルス拡大の影響で対面での開催が難しいため、オンラインでの対話の場を模索しています。皆様も一度、参加されてみてはいかがでしょうか。
がん患者さんの就労支援インディペンデントでは、大野先生と一緒にタナトロジーカフェを定期的に行っています。
現在はオンラインによるタナトロジーカフェを模索中です。開催予定はTwitter,Facebookでお知らせします。
※コメントは管理者の承認後、掲載されます。