インディペンデント通信

がん教育のいま【大野裕美のプロジェクト通信】

【インディペンデント通信 2020年 9月 第14号】

「 がん患者を支えるためのプロジェクト通信 」


第1回がん教育のいま


豊橋創造大学保健医療学部 大野裕美

 

皆さんは、がん教育と聞いて何を思い浮かべますか?

市民講座等の健康教育でしょうか。

実は、子どもへのがん教育が現在、学校現場で始まっています。

学校によって取り扱う内容は様々ですが、健康教育の一環として「がん」を具体的にとりあげて学びます。

 

がんは今や国民病ともいわれる時代になり、その対策の流れのなかで、子どもへのがん教育の必要性が高まってきました。

2012年の第2期がん対策推進基本計画に位置付けられてからは、本格的に取り組まれるようになり、2018年の新学習指導要領に盛り込まれたことが拍車をかけ、いままさに実践段階にあるのです。

 

さて、このがん教育の意図は何だと思いますか?

文科省では健康教育の一環として「がんの正しい理解」と、「健康と命の大切さ」の2点を挙げています。

私は、2012年の国の計画に示される前から、がん患者支援団体の方々と協力し合い、子どもへのがん教育を実践してきました。

その理由は、がん患者の方々が、大人になってがんになってもがんを学んでいないから、治療の決定や今後の方針を決めるのに分からないという率直な意見からの必要性です。

 

また、もうひとつはがんの偏見を払拭するには正しい知識を備えておくこと、そのためには発達段階に応じてがんを正しく知るという社会学的な観点からです。

子どもの時からがんを正しく理解することで、自身の健康管理(セルフマネジメント)につながりますし、子から親への世代間伝達で親世代の予防行動獲得にもつながることが期待されます。

 

まだ、子どもへのがん教育は始まったばかりで効果の検証はこれからですが、教育の適時性を考えると重要なことだと思っています。

 

このコラムをお読みになっている読者の皆様のなかで、がん教育に関心を持たれた方はお声をかけてください。

 

がん患者さんの就労支援インディペンデントでは、大野先生と一緒にタナトロジーカフェを定期的に行っています。

現在はオンラインによるタナトロジーカフェを模索中です。開催予定はTwitter,Facebookでお知らせします。

 

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